BP Report
Top Interview
当期の事業報告についてお伝えします。
トップインタビュー Top Interview
事業区分の再編で足元の取り組みを着実に実行し、
売上高は過去最高を達成
今後のさらなる飛躍に向けて、
中期経営計画を策定
顧客とのコミュニケーションが好業績への足がかりに
2023年10月期は、2020年春から続いてきたコロナ禍もようやく落ち着きを取り戻してきました。当社としては、原材料高や電気代の高騰など、仕入れ面ではかなり厳しい局面であったことは事実です。その中でも、販売促進用広告の需要が回復したことにより、主力のインクジェットプリントの分野が順調に推移しました。
事業体制をそれまでの3区分から2区分に再編したことにより「今やるべきこと」が明確になり、社員それぞれにとって自分の目標達成の地点がはっきりしてきたといえます。そのため営業担当が顧客と直接コミュニケーションをする中で、それまで見えてこなかったサービスの需要を見い出せるようになりました。
例えば、顧客はプリントやサイネージだけではなく、さらに総合的な視野での販促の提案を当社に求めていたことから、今までの個別の事業を続けつつ、セールスプロモーション事業というひとつの大きなくくりを作り、そこからトータルな要望を掘り起こして提案していくことまでつながりました。
もうひとつ、ウェブプロモーション事業も新たな形として実を結びつつあります。従来は外注していた分野にも人が割り当てられ、社内にその分野の専門家が生まれてきているのです。次の時代に向けての社内での人材発掘という役割も担ってくれる事業となっています。
来期の成果達成は今期からの連続
2023年10月期はリアルとデジタルの領域から販促・マーケティングをワンストップでサポートするため、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」という3つの成長戦略を掲げてきました。
「シェア拡大」に関しては2022年11月に京都営業所を開設し、2025年の大阪・関西万博開催による販促広告需要を視野に入れ、大阪と合わせて関西エリアでの新規顧客獲得を進めています。東京、大阪、横浜、名古屋、福岡においても人員を増強し、営業力を強化してきました。全ての営業社員がこの戦略の達成に集中してくれたことが結果につながっています。
「機能拡大」は、当社の従来からの強みである多品種少量生産型のインクジェットプリントに加えて、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷などの少品種多量生産型の案件に迅速に対応する社内制作体制及び外注先との協業体制を構築し、順調に伸ばしてきた1年でした。顧客とのコミュニケーションにより今までの提案の「その先」までの要望を営業が受け取ることによって、多機能化が広がっています。
さらに2023年6月に株式会社OnePlanetと拡張現実(AR)技術に関する業務提携を行い、セールスプロモーション事業における新たなサービスとして「Promotion AR」を開始いたしました。プロ野球のイベントで活用していただくなど、積極的な提案活動や付加価値を高めるための機能拡大を進めています。
新分野開拓がさらなる飛躍のための鍵
3つの成長戦略のうち、最後の「領域拡大」については、インクジェットプリント事業で培ってきた印刷ノウハウや保有設備を活用し、オーダーグッズ制作事業を新しくスタートさせ、アニメやキャラクターといった領域まで広げようと考えました。いわゆるグッズ、ノベルティという分野は真新しい領域になります。こちらも新規領域ながら既存顧客を中心にさまざまな販売促進用グッズの受注生産を行い、着実に実績を積んでいる状態です。
プリントだけを行う会社から「販促トータルでの提案が可能となる会社」という立ち位置にステップアップできたので、収益性にも好影響であったと思います。
「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」という3つの成長戦略は、単年度で完結するものではありません。確かに、戦略を明確化したことにより社内でも何をすべきかが共有できるようになり、それがコロナ禍前を上回る業績という結果であらわれました。だからこそ、2024年10月期もこの3つの成長戦略を維持継続していきます。さらなる深掘りをして、顧客の要望に対応できる体制や技術などを上積みしていく。それこそが次の時代につながる道であると考えております。
上場後のコロナ禍の苦難からスムーズに脱却
当社は顧客とのコミュニケーションによって、新機軸を打ち出しコロナ禍からの転換を実現しました。それは、株主様や投資家様からの信頼があればこそ達成できたことが大きい、そこをしっかり意識してやってきました。当然のことながら株主様への利益還元は経営上の重要施策であります。将来の成長のための内部留保を考慮しつつ、安定した配当を維持継続する観点から、2024年10月期の期末配当は7円増配の50円を計画しています。
2019年7月に上場し、その翌期の2020年10月期からコロナ禍の影響で業績が落ち込みましたが、株主の皆様のご支援のおかげで2023年10月期は過去最高の売上を達成することができました。今後もさらなる企業価値の向上を目指して各種施策を実行してまいりますので、引き続きご指導ご支援をお願い申し上げます。
決算サマリー
売上高
3,174百万円前期比8.9%増営業利益
452百万円前期比20.2%増当期純利益
300百万円前期比24.8%増
業績推移
特集
中期経営計画
BLUE PRINT 2026について
国内業界トップを目標に、3年後売上高50億円を目指します!
2019年に東証マザーズ市場に上場してほどなく、新型コロナウイルスが流行しました。世界中の市場が冷え込む中、アフターコロナを見据えて新規事業の立ち上げや、首都圏での販売拠点と生産拠点の再編、AR技術を使った新たなサービスの開始といった各種施策を実行してきました。
このようなチャレンジをしてきた中で、まさにアフターコロナと言える現在、「絶対に勝てるポジション取り」を決意するに至りました。それを具現化するためにも、2024年10月期を初年度とする中期経営計画を策定しました。その目的は「世界で唯一無二のアプローチで“次の時代の競争優位性をつくる”」こと。3年後に売上高50億円を目指します。
One&Only
唯一無二のアプローチで次の時代の競争優位性をつくる
唯一無二・One&Onlyなアプローチで中期経営ビジョンを実現
( 01 )事業戦略的アプローチ
顧客層の
拡大マーケティングによる新たな滞在顧客の発見( 02 )技術構造的アプローチ
スマートファクトリーの
実現「人」「工程」「設備」を最適化( 03 )人材マネジメントアプローチ
パーパス経営の
実践会社のパーパス(存在意義)を掲げて活動する
( Approach 01 )事業戦略的アプローチ 「 顧客層の拡大 」
さまざまなソリューションの展開により、ワンストップで発注できるビジネスモデルを確立。
主要な顧客ターゲットの広告代理店に加えて、メーカーや広告主など顧客基盤を強化し、売上拡大を図る。
高付加価値製品・サービスの提供により、メーカーや広告主の顧客数を、3年間で30%増加させる。
( Approach 02 )技術構造的アプローチ 「 スマートファクトリーの実現 」
スマートファクトリーの実現に向けて、人員・工程・設備の観点から生産環境の最適化により「高い利益を生み出せる生産環境」を構築。生産効率化、及び、工程のDX化に向けて、2026年10月期までの3年間で総額2.5億円の投資予定。
( Approach 03 )人材マネジメントアプローチ 「 パーパス経営の実践 」
「お客さまのブランドストーリーを形にし人々の生活をより楽しく、記憶に残るものにする」というパーパス(存在意義)を掲げ、多様な人材の確保と育成、働きやすい環境づくりのための各種施策の実行、組織活性化策などを推進する。
これらのアプローチによってオーガニックな成長をしつつ、さらなる成長及び企業価値の向上を実現させるためのM&Aを実行し、当社の事業との相乗効果、成長性、利益率などの観点から投資案件の精査を推し進めてまいります。
社内の好循環も加わりさらに優位性の高さを実現させたい
「次の時代の競争優位性を作る」という意識で、2026年10月期に売上高50億円を目指します。もちろんその先を鑑みるとき、国内業界トップを視野に入れて世界で戦える独自性のある会社になっていくでしょう。そして全社員に働くことで得られる喜びを提供し、社員が成長できる舞台を提供する、それにより会社が成長し、企業価値の向上につながる、そんな好循環を実現させていきます。
株主の皆様にはこの中期経営計画にご理解を賜り、これまでと変わらぬご指導ご支援をお願いしたいと考えております。
Topics
新サービス
「Promotion AR」
アプリ不要!ARを使った付加価値サービスの提案を開始
「Promotion AR」は、販売促進用広告物などに印刷した二次元バーコードをスマートフォンで読み込むことで、アプリをインストールすることなくAR(拡張現実)の世界を体験できるサービスです。
- アプリをダウンロードしなくても利用可能!
- 記憶に残る体験型の広告を作成できる!
- ARの写真撮影ができ、楽しい瞬間を共有できる!
- SNS(ソーシャルネットワークサービス)でユーザーが拡散することにより、広告費をかけずに宣伝効果を高めることができる!
特徴
より付加価値を高める新機能も続々追加!
新機能 1動画のループ再生と音声同期機能
画像トラッキングARにおいて、MP4の動画ファイルをループ再生できるようになりました。さらに、3D アニメーションと音声の同期機能も追加。ループ再生機能によって、アニメーションと音声を何度も繰り返しアピールすることができ、音声同期機能で、アニメーションキャラクターの動きに合わせてしゃべり始めるといったことが可能になりました。
新機能 2フォトフレーム機能
フォトフレーム機能が搭載され、インカメラ・アウトカメラのどちらでもフレーム付き撮影が可能になりました。 Promotion ARの技術により、ダウンロードの必要がなく、QRコードを読み込むだけで、簡単にさまざまなフォトフレームによる写真体験をすることができます。
「Promotion AR」は当社が制作するインクジェットプリント販売促進用広告物との親和性が高く、また、当社が受注する販売促進用広告物の付加価値を高めることができることから、本サービスをセールスプロモーション事業の大きな販売促進ツールに成長させ、サービス拡充を目指してまいります。