BP Report
Top Interviewトップインタビュー

我慢の時を乗り越え、過去最大の売上高に飛躍。2024年10月期中期経営計画の順調な進捗により「総合販促支援企業」への成長を目指します
株式会社ビーアンドピー
代表取締役社長執行役員和田山 朋弥
“攻め”の1年となった2024年10月期
我慢のコロナ禍から一転、各段階利益で20%増の飛躍的成長
2024年10月期は、顧客層の拡大による新規顧客の開拓と組織の効率化により、全社的に飛躍的な成長を遂げた1年となりました。
コロナ禍後の人流回復による広告販促物の需要拡大で、リピートオーダーを中心とした受注増が売上に反映されるとともに、オーダーグッズ制作やプリントソリューションなどの新規事業の収益化が順調に進捗しました。また事業成長だけでなく、生産効率化に向けた取り組みが奏功し、大幅な増益を達成しました。
その結果、2024年10月期は全四半期において前期を上回る売上高と好調に推移し、通期の売上高は35億円(前期比11.4%増)と過去最高で着地。各段階利益においても、前期比20%を超えて成長する好調な推移となりました。
中期経営計画初年度を終えて
M&Aにより計画推進を加速化させる
当社では、2024年10月期を初年度とした3ヵ年の中期経営計画を策定しています。「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの観点から事業強化および成長投資、M&Aを企図しており、初年度となった2024年はその具体的実行施策として掲げた「顧客層の拡大」「スマートファクトリーの実現」「パーパス経営の実践」を着実に推進してまいりました(下図参照)。
2026年10月期に目標である売上高50億円を達成するには、オーガニックな成長に加え、M&Aによる成長の底上げが欠かせません。重要項目のひとつとしても掲げていたM&Aが、2024年11月、株式会社イデイのグループ化により達成できました。
実は、数年前からM&A実施に関するプロジェクトチームを立ち上げてはいたものの、コロナ禍では買収先企業の見極めが難しく、停滞していました。株式会社イデイは、設立48年を迎える老舗広告代理店として、確かな企画提案力で幅広い顧客層の信頼を獲得してきました。当社が今後「総合販促支援企業」にステップアップする上で、重要なシナジー効果を生むものと認識しています。
(※株式会社イデイとのトップ対談はこちら)
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顧客層の拡大
マーケティング強化による新規顧客層へのアプローチ~発掘により、エンドユーザーの取引社数3倍に
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スマートファクトリーの実現
生産効率化、工程のDX化への取り組みを推進のため、約8,000万円の設備投資を実施
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パーパス経営の実践
変形労働時間制廃止によるワークライフマネジメントの支援
今期掲げるのは「全部門の黒字化」。
「総合販促支援企業」への変革に向けZK DIGIMAX等新商材をラインナップ
当社は広告業界における企業認知度が高く、すでに多くの広告代理店から印刷物制作の引き合いをいただいております。しかし、さらなる成長のためには、企画から制作・納品までワンストップで担う「総合販促支援企業」への変革が必要です。今後100億円の売上を見据え、次の柱となる事業基盤の整備を進めてまいります。その足場固めとして、2025年10月期に当社が目標とするのは、「全部門の黒字化」。前期、前々期で進めてきたシェア拡大・機能拡大・領域拡大の3つの成長戦略を着実に実行し、部門ごとの収益力を高めて、今後の柱となるよう大きく育てていきます。
主力事業であるセールスプロモーション事業においては、IPライセンス領域への本格展開に向けての取り組みを加速させていくとともに、前期に協業を発表したTOPPAN株式会社の環境配慮型商材「エコクラシー」など、高付加価値の商品ラインナップを広げております。
デジタルクリエイト事業では、すでに多くの引き合いをいただいている「PromotionAR」「Novelty AR」のさらなる収益拡大を図っていきます。また2024年12月のシンガポールのZK DIGIMAX社との戦略的業務提携により、日本国内におけるAI搭載の高品質デジタルサイネージの販売権を獲得しました。実は、海外のコンビニエンスストアや薬局では、すでにAIを搭載したデジタルサイネージが並び、省人化に貢献しています。
これら高付加価値販促商材のラインナップを拡充し、「ビーアンドピーに相談すればさまざまな販促の課題を解決してもらえる」と認知していただけるよう邁進してまいります。
次なる課題は営業人材の拡充・育成
ソフト・ハードの両面で営業活動を支援する
一方で、企画提案力を備えた営業人材の育成が次なる課題です。高付加価値商材の魅力を伝えていくため、全国各地の営業チームのユニット化、および専任営業を配置し、経験とノウハウを共有して、地域密着型の営業を強化する体制を整えました。今後はイデイとの人的交流などを深めながら、企画提案できる人材を育成するとともに、業務効率を向上させるため、営業活動にITツールを活用するなど、ソフト・ハードの両面を整備し、総合販促支援企業への変革を目指していきます。
2025年は「大阪・関西万博」が開催されます。国際的大規模イベントを控え、販促物も一過性の需要増が見込まれます。生産体制を強化し万全の準備を整えつつ、商機を捉えて売上積み増しを狙います。しかし、今期はあくまでも前期までにつくり上げた体制を形にしていく足場固めの1年であると位置づけています。ぜひ、今後のビーアンドピーにご期待ください。
今期配当予想額は10円増配の70円
配当性向40%を目指し引き続き拡充を実施
このような施策を実行できたのもひとえに、株主・投資家の皆様の日頃のご支援の賜物です。当社では株主・投資家の皆様に対する積極的な利益還元を経営上の重点施策として認識しております。
2024年10月期には中間期株主優待制度を新設し、当社株式への魅力が高まるような施策を実施しました。今期の配当予想額は、前期より10円増配となる70円。引き続き、事業拡大のための成長投資を行いつつ、安定的な配当の継続実施を基本方針に、配当性向目標40%を目指してまいります。
株主・投資家の皆様には、引き続きご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
決算サマリー
増収効果・利益改善策により各段階利益が増加。
営業利益、当期純利益は2年連続で大幅伸長する好調な推移
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売上高
3,536百万円
前期比11.4%増
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営業利益
550百万円
前期比21.7%増
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当期純利益
391百万円
前期比30.6%増
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業績推移
株主還元
2025年10月期は前期比10円増配の70円を予想
2026年10月期に配当性向40%を目指す

Special feature特集

トップ対談グループ化で実現する
「総合販促支援企業」化戦略
- 株式会社イデイ
取締役社長出射 新也 - 株式会社ビーアンドピー
代表取締役社長執行役員和田山 朋弥
一取引先からグループ企業に
互いの良さを知って実現したM&A
両社のM&Aのきっかけについて教えてください。
和田山:中期経営計画のひとつとして、M&Aの実現を掲げていました。5年後、10年後を見据えて企画から制作・納品までワンストップで担う『総合販促支援企業』を目指したとき、自社でやれることをもっと増やし、企業として力をつけていきたかった。当社では、カラープリント以外にもデジタルサイネージ、オリジナルグッズといった魅力的な商材を持っています。これらをただ売るだけでなく、お客様の課題解決のために、企画からお客様に提案できる体制に会社を変えるためにはM&Aによる成長が必須だと考えていました。そのためにプロジェクトチームを作り、シナジーが生まれる企業を探していたところ、M&A仲介会社を通じて株式会社イデイをご紹介いただきました。元々取引先であったこともあり、最初に話があってから4カ月で、イデイとのM&A成立に至りました。
出射:僕がM&Aを考える大きな契機となったのは、コロナ禍です。まもなく創業から50年を迎えるなかで、これまでリーマンショックや東日本大震災など、広告業界が低迷する時期はありました。でも、コロナ禍で、いろいろなことが一気に変わりましたよね。例えば、営業活動はWeb会議が当たり前になったし、3年前にはなかったことが、次々と当たり前になった。変化に対応せずにこれまでと同じことに固執していたら、成長でけへんのかなって。会社を発展させていくには、これまでの考え方や常識を変える必要があると強く思うようになり、こうした心境の変化から、新たな選択肢としてM&Aを考えるようになりました。
両社は、M&A以前からお取引があったそうですが、お互いの印象はどうでしたか。
和田山:出射社長も現場の最前線でお仕事されていましたし、私も以前は営業をしていたので、イデイという会社はよく知っていました。化粧品の什器をはじめ、各企業・メーカーの高付加価値販促物の企画・提案に強い会社というイメージで、今のビーアンドピーに必要なピースだと直感的に感じました。それで、M&Aの相手としてお会いしてみたい、と。
出射:和田山社長とお会いしたとき、正直『もう決まりやな』と思いました(笑)。僕は、何かを始めるとき、何をやるかより誰とやるかを重要視しています。目先の利益を追うことで、痛い目もいっぱい見てきたので。ビーアンドピーとは元々長いお付き合いがあったし、理念にも共感できた。なにより、和田山社長の仕事へのエネルギーに魅力を感じました。イデイが手掛けた化粧品の什器和田山:数回の面談を通じて、出射社長は、社員のことをとても大切にしていると感じました。社名ひとつにしても、出射社長のお名前から取っている。こうした自社に対して責任を持つ思いが、すごく大事だと思っていて。面談を重ねるなかで、M&A成立の後、両社がどのように成長していくか、非常に熱量をもって考えているんだと感じましたね。M&Aのその先で、どのように事業を展開するか、クリエイティブな発想を次々と出してくださいました。
出射:M&Aの経験はもちろんなかったので、正直、一般的な売る側と買う側の立場になるのではないかと覚悟はしていました。ですが、和田山社長はイデイの仕事に対して非常にリスペクトを持ってくれた。それがすごく嬉しかったんですよね。『今までやってきたことをもっと伸ばしてほしい』と言われたことを、今でも鮮明に覚えています。イデイには、アイデアを出すことが大好きな社員、アイデアを表現できるクリエイターがいます。ビーアンドピーが培ってきた生産体制と、イデイの企画力が生み出すシナジーを考えるのが、すごく楽しいんです。
M&Aから人的交流も促進
制度・ノウハウの共有を目指す
イデイの『企画提案力』をビーアンドピーに取り入れるため、どのような施策を
進めていくのでしょうか。
和田山:すでに両社の社員を含めたチームを作って、今後の体制について議論を交わし、現実的な業務フローに落とし込む準備を進めています。社員レベルでも、相互理解を深める交流を実施しています。たとえばイデイの全社員に、横浜や大阪の生産現場に来てもらい、ビーアンドピーにできることを伝える。逆にイデイから、提案・企画・アイデア出しの手法を教えてもらったりもしています。また、お互いの収益性を上げるため、泥臭い部分で認識のすり合わせを実施しています。月次決算の管理方法や、部門別損益計算書の作成など、ビーアンドピーのやり方に合わせてもらっている。協力的にしていただいていますが、ストレスもありますよね?
出射:いえ、逆にラッキーです。これまでのイデイは、収益化の面で悩み続けていたといっても過言ではありません。イデイの社員は、顧客の課題解決のため全力を尽くしたいという思いがあり、実際に付加価値の高いアイデアも出している。でも、収支が合わなければ、だれもハッピーになりません。本来ならば、ビーアンドピーのようにありとあらゆる角度から計画立案をすべきでしたが、僕自身、手が回らず非常に悔しい思いをしていました。グループ化によって、ようやく高収益化に向けた体制が整いはじめた、と感じています。
今後が楽しみですね。すでに両社が関わっている仕事はありますか。
出射:いくつか案件を受注し、2社で進行しているものがあります。そうそう、イデイで企画したイベントに和田山社長がヘルプを出してくれたんですよ。
和田山:そうなんです(笑)。
出射:半年かけて取り組んできたイベント案件の最終日が、この間あったんです。来場者には缶バッジなどのノベルティを配布していたんですが、予想以上の大盛況。土日2日間あるにもかかわらず、土曜日に缶バッジの在庫がなくなりそうになってしまった。缶バッジがあってこそのイベントだったのに、どうしよう、と。どこの納入業者も休みで、最短で3日かかると言われたんです。藁をも掴む思いで和田山社長に連絡したら、すぐに動いていただいて。
和田山:『明日朝9時に納品できます』と。
出射:今までだったら、お客様にただ謝るしかできなかった。けれど、今回のM&Aによって深めた関係性が奏功したことで、無事イベントを終えることができました。今後も両社が力になれるよう協力できれば、と思っています。

2社のシナジーによる新たなモノづくり
グループ全体で総合販促支援企業を目指す
5年後、10年後、どんな企業になっていきたいですか。
和田山:ビーアンドピーは、「総合販促支援企業」を目指しています。世間の流れはどんどん変わっていきますので、常にアンテナを張りつつ、チャレンジを続けていきたいと考えています。今では12月に業務提携をしたシンガポールのZKDIGIMAX社のAIを絡めたデジタルサイネージなど新たな商材も増えていますし、M&Aで底上げした企画提案力をさらに成長させ、自社のリソースでお客様が求めているものを提供していきたいと思っています。
出射:ここから5年は、広告業界にとって激動の5年だと考えています。スマホの登場でパーソナライズドされた広告はますます増えていて、オールドメディアを使った広告は淘汰されていく。時代の変化にあわせて学び、これまでの成功体験に固執しない、アメーバのように変化できる組織になりたいです。
これから両社で挑戦していきたいことはありますか。

和田山:企画提案からモノ作りまで提供できる企業って、実はそこまで多くありません。でも、お客さまにとっては、一社にワンストップで頼める会社ほどありがたいものはないはずで、必ず受け入れていただけると信じています。両社が協力して『総合販促支援企業』への組織づくりを進めるとともに、常に社員がワクワクできる挑戦をし続け、働きがいのある企業を目指します。
出射:僕らの作っているものって、情熱を入れなかったら、ほんま面白くないんですよ。ビーアンドピーの仕事も、僕らの仕事も、想いがのらないとただのポスター、ディスプレイなんです。社員たちにはそれを伝えていきたいですし、グループ全体でその意識をもっと高めていければ、自然と事業拡大にも繋がる。その成長につながる基盤を活かし、グループの一員として大きく成長していきたいと考えています。
TOPICSサステナブルな取組み TOPPAN株式会社との協業

サステナビリティに対する意識が高まるなか、「エコ素材を使用した販促物を制作したい」というお客様の声にお応えし、当社ではTOPPAN株式会社と協業して環境負荷軽減・アップサイクル可能な「エコクラシー®」を使用した販促物の提供を開始しました。
「エコクラシー®」は、一般的に横断幕や装飾幕などに使用される「塩ビ」ではなく、ポリオレフィン系材質のみで作られた非塩ビ素材でできているため、リサイクルも容易で環境負荷の低減に寄与します。これまでに当社が販売している環境配慮型商材とあわせ、お客様のサステナブルな販促物制作をよりいっそうサポートしてまいります。
エコクラシー®って?
TOPPAN株式会社の「ecocracy®」は非塩ビ素材を使用し、焼却処分時の環境負荷を低減し、マテリアルリサイクル(植木鉢やプランター、ゴミ箱などへの再製品化※)も可能になっています。
※マテリアルリサイクルには一定の条件が必要。
(お客様事例)
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サステナブルマテリアル展
展示ブース展示ブースのパネルとしてエコクラシーを使用。通常のパネルのように使用しただけでなく、幕らしさを感じられる装飾性を両立しました。
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印刷博物館
企画展をプリントしているエコクラシー。使用後はマテリアルリサイクルされ、クリアファイルに生まれ変わっています。